～愛知県の人口減少状況～
愛知県全体の人口は2019年をピークに減少を続けており、三河山間部や半島先端部ではその傾向が顕著です。特に東三河地域では、2008年に約77万人だった人口が、2020年には約2.3%減少し748,230人となりました。2050年には約59万人にまで減少する見通しです。これは全国的な人口減少の流れと一致しています。

～人口減少に対する愛知県の対策～
一般的に、人口減少対策といえば移住政策や結婚支援、子育て支援が中心になります。これらの施策は当然重要で、今後も引き続き力を入れていかなければなりません。しかし同時に、人口減少は避けられない現実であることを前提に、減少が進んでも問題なく地域が維持できる体制を構築することも大切です。
これは、気候変動を防ぐために温室効果ガスを減らすとともに、気候変動による災害に備え河川を拡幅するような「原因の解決」と「対処的解決」の両面を考える必要があるのと同じです。つまり、人口減少を抑制するための取り組みと、減少が進んだ後でも地域が活力を保てるようにする施策の両方を同時に進める必要があります。

～産業の高度化が必要不可欠～
そこで重要になるのが、「稼ぐ力」を強化し、地域経済を支えるための産業の高度化です。人口が減少すると、消費者や労働力が減少し、経済の成長が鈍化し、税収も減少します。これにより、インフラの維持や行政サービスの提供が難しくなり、自治体の運営が厳しくなるという懸念があります。
これらの問題を緩和するためには、地域が自ら稼ぎ、経済を維持・成長させる力を持つことが重要です。そのためには、技術革新やデジタル化を推進し、産業の高度化を進めることが求められます。愛知県では、航空宇宙産業や医療・福祉分野など、成長が期待される産業への支援を強化し、新たな雇用機会を創出する取り組みを進めています。さらに、デジタルインフラの整備やデジタル人材の育成、中小企業への支援も急務です。

～今後の展望と必要な取り組み～
今後、愛知県の未来を築くためには、デジタル化やAI、ロボット技術の導入も含めた産業の高度化に力を入れていく必要があります。これにより、人口が減少しても持続可能な地域経済を実現することが可能です。行政としても、技術革新に挑戦しやすい環境を整えることが急務です。官民連携によるイノベーションの推進や規制改革、法制度の整備、データ活用環境の強化も重要な課題です。

これからの愛知県を強く、持続可能な地域にしていくために、皆さんにもぜひ関心を持っていただきたいと思います。未来を見据えた挑戦には、皆さんの協力が不可欠です。行政としても、皆さんが新たな技術や取り組みにチャレンジできる環境づくりに全力を尽くしてまいります。
引き続き、愛知県の未来を共に築くために、皆さまのご支援とご協力をよろしくお願い申し上げます。