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活動報告

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「地域経済を支える力に!洋上風力発電とものづくり愛知」

今回は、私が選挙時から掲げてきた「東三河の未来創造図」の一つ、豊橋・田原沖での洋上風力発電について、最新のご報告をさせていただきます。


豊橋・田原沖で始まる実証実験
昨年6月、国の事業として田原市・豊橋市沖が、浮体式洋上風力発電の実証実験地に選ばれました。
ここで大切なのは、今回はあくまで商業利用を目的としたものではなく、「技術実証」の段階だということです。
つまり、経済活動として直接地域に利益をもたらす段階にはまだ至っていません

設置されるのは、
🔹 15MWを超える大型風車1基(稼働率を考慮して、年間約16,400世帯分の電力を賄える規模)

昨年(2024年)7月から実証事業がスタートし、2029年度の稼働開始を目指しています。
実証期間は2031年3月までの予定であり、事業終了後は得られたデータをもとに、将来的な商用化・大規模展開の可能性が検討されます。


なぜ田原・豊橋沖が選ばれたのか?

  • 安定した良好な風が吹く地域であること

  • 沿岸の電力消費地に近く、送電効率が高いこと

  • 水深50m以上と、浮体式発電に適していること

  • 漁業者をはじめとする地域関係者の理解が得られたこと

これらの条件が揃った結果、今回の選定に至りました。


秋田県の事例から見える未来像
秋田県ではすでに33基の洋上風力発電所が稼働し、約3,560億円の経済効果34,000人の雇用を生み出しています。
ただし、秋田の事例は商業規模での発電であり、
今回の豊橋・田原沖の取り組みは、その前段階となる技術実証

である点に注意が必要です。


ものづくり愛知にとっての可能性
自動車産業が盛んな愛知県にとって、洋上風力発電は次の成長産業となり得ます。
自動車部品と風力発電機器には多くの技術的な共通点があり、愛知の「ものづくり力」が活かせる分野です。

🔧 自動車部品と風力発電機器の共通する技術例

技術分野 自動車部品 風力発電機器
鉄鋼・アルミ加工 車体、シャーシ、フレーム タワー、ナセル(機械室)、ブレード基部
駆動系技術(ギア) トランスミッション、デフ 増速機(ギアボックス)
軸受(ベアリング) ホイールベアリング、エンジン部品 主軸ベアリング、ヨー・ピッチ制御部
制御システム ECU(電子制御ユニット) 風向・風速に応じた発電制御
複合材料技術 軽量化パーツ(カーボン素材など) ブレード(羽根)
電装部品 モーター、インバータ、センサー類 発電機、変換器、制御機器
塗装・防錆技術 車体塗装、防錆処理 タワー・ブレードの耐候性処理

現在すでに、愛知製鋼、デンソー、日本精工(NSK)など地元企業がこの分野に参入を進めており、
実証段階が成功すれば、将来的に地元産業への波及効果が期待されます。


課題と展望
当然ながら、海域利用にあたっては、漁業関係者との丁寧な調整・共存策が不可欠です。
また、今後の電力需要についても、人口減少や省エネ機器の普及

が進む一方で、
デジタル化・AI化・データセンター需要の拡大により、2050年には電力消費が現在の1.3〜1.5倍に増加すると予測されています。

持続可能なエネルギー基盤を確立するためにも、再生可能エネルギーの開発はますます重要になっています。


🌟 最後に
豊橋・田原沖で始まる今回の実証実験は、地域の未来を切り拓くための第一歩です。
この経験を活かして、将来の大規模洋上風力発電や、ものづくり産業の新たな展開につなげていきたいと考えています。

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