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米価下落の現場から見えた課題と、これからの一手

先日、豊橋市内で長年米づくりに携わる生産者の方から、今年の米価や農業をめぐる現状について、じっくりとお話を伺う機会がありました。米価下落、生産調整のあり方、転作への不安、そして農地集約という中長期の構造課題まで、現場ならではの率直なお話をいただきました。今回はその内容と、私なりに考える解決の方向性を、皆様と共有させていただきます。

米価はコストを下回る水準に

今年の米価は、農協の概算金が前年からほぼ半減し、個人販売でも30キロ1万円程度になる見込みだといいます。生産コストの目安が「2万円強」とされる中、この価格では経営が成り立ちません。収量自体は今年、比較的多かったとのことですが、夏の高温や必要な時期の雨不足で品質面には課題が残り、収量増が必ずしも収入増にはつながっていません。

「もう価格はコスト指標を下回っとるよ。」

ブランド化・直販だけでは支えきれない

飲食店との取引やブランド米の販売により、一般市場より高い価格で売れる経路を持つ生産者もいらっしゃいます。しかしその割合は、生産量全体の1〜2割程度にとどまるとのこと。個々の経営努力だけでは、米価下落の影響を吸収しきれないのが実情です。

情報が先に広がり、価格交渉がしづらくなる現実

「概算金はいくらで、去年の何割減か、ニュースでもすぐ流れちゃう」といいます。生産者側は生産費の実情を発信して安売りを避けようとしていますが、相場情報だけが先行して伝わることで、価格交渉そのものが難しくなっているそうです。あわせて、米価下落による収入の落ち込みは、来年の補助金の算定にも影響しかねないという懸念も語られました。

生産者不在のまま進む生産調整

今後、生産調整の実施が見込まれていますが、その方針は県や経済連が決定し、生産者自身は関与できていません。あわせて、小麦・大豆への転作も検討されているとのことですが、小麦は米より収益性が低く、経営所得安定対策などの補助が十分でなければ、転作はむしろ経営リスクを高めかねません。

「生産者抜きでそういう話をしておかしくない?」

農地集約と土地改良は待ったな

農業者人口の減少は今後さらに進んでいきます。だからこそ、農地を集約・集積し、使い勝手の良い効率的な農地に整備していくことが欠かせません。しかし現場では、担当者の交代後に土地改良の話が止まったままだという声もありました。行政の予算と、担当者が変わっても事業を継続させる体制づくりが強く求められています。

「土地改良は行政のお金が入ってこないと難しい。今後の農業にとって必要だと思ってなかったら嘘だけどね。」

私が取り組むべきと考える方向性

①生産者の声を政策決定に反映させる仕組みづくり
生産調整の方針決定にあたり、生産者自身の意見を聞く場を設けるよう、県や関係団体に働きかけます。
②転作を選ぶ農家が不利にならない支援制度の実効性確認
経営所得安定対策など既存の補助制度が、実際の収益差を埋められているか検証し、不十分であれば拡充を求めます。
③農地集約・土地改良事業の継続的な行政支援体制の整備
担当者が交代しても事業が途切れないよう、引き継ぎの仕組みと予算の継続性を確保するよう、行政に働きかけていきます。

今回お話を伺う中で改めて感じたのは、米価下落は単なる一時的な相場の問題ではなく、生産調整の意思決定プロセス、転作支援の実効性、そして農地集約という中長期の構造課題までが複雑に絡み合っているということです。一つひとつの課題を切り離すのではなく、生産現場の声を起点に、政策としてつなげて考えていく必要があります。

米づくりを続けたいという現場の思いに応えられるよう、これからも一次産業の現場に足を運び、生の声を丁寧に拾いながら、政策に反映してまいります。

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